ロードバイク界隈でマウンティングがなくならない理由

お役立ち情報

今回はロードバイク界隈でなかなかなくならない「マウンティング」について考えてみました。

ロードバイク界隈って何?

マウンティングって何?

ロードバイク界隈とは、競技指向やサイクリング指向、初心者やベテランなど多種多様な属性・階層から成り立つ「ロードバイク好き」な人々の生きる世界のことです!

マウンティングは、相手より自分が優位であることを示す行為のことです。

そのロードバイク界隈で、みんな仲良くすればいいのに、マウンティング行為する人がなぜか後を絶たないのです。

実際にどのようなマウンティング行為が行われているのか?について、代表的なものをあげています。

よくあるマウンティング

ロードバイク歴、走力や知識面で優れた人が、劣った人に対しマウンティングすることが傾向として目立っている気がします。

ベテランが初心者をマウンティング

初心者「50㎞も走行したよ!隣の県まで行ってきた!達成感半端ない!」
ベテラン「50㎞なんて2~3時間もあれば余裕で行けるし、走ったうちに入らない!」

ベテランさん、自分がビギナーだったころの素直な喜びを思い出して下さい。
誰もが最初はビギナー
少しずつ経験を積んでいくんです。

上級機材使用者がマウンティング

初心者「わーい!コンポを105にグレードアップしたぞ!ギアもバシバシ決まるし、最高!
でもお金がないから、ブレーキは当面SORAのままにしておこう。
バイトしてお金貯まったら、ブレーキも105に交換するぞ♪」
上位機材使用者「男ならアルテグラ以上使わないと、それぐらいで感動してたらダメ。」

限られた予算の中で一生懸命やりくりしてるのに、この言われっぷりって。

 

105でも、走力があれば十分レースでも勝てます!
趣味でロードバイク乗っている人の大多数にとって、DURA-ACEはオーバースペックだと思いますよ。
ギアチェンジのスムーズさとか耐久性、ブレーキの効きなどもちろん差はあるけど、予算内に収めて無理なく乗り続けることの方が重要です。
ちなみに、上位グレードの性能の良さを否定しているわけではありませんよ♪

https://bike.shimano.com/ja-JP/components/road.html

コンポ―ネントのグレードで、勝手にヒエラルキー作られても困りますよね。

巡航速度でマウンティング

厳密にはマウンティングというより、知識不足をあざわらう揶揄に近いです

ビギナー「巡航速度50㎞/h出したぞ!」
ベテラン「豪脚の持ち主が新星のごとく現れた!日本初のツールドフランス優勝者が近々期待できそう!」

「速度」にも色々な意味と違いがあるので、特にSNSで「速度」アピールする際は、下の図のような違いを知った上で使い分けた方が不用意なマウンティングを受けずに済みます。

先ほどの例でいうと、ビギナーさんは下の図の①を巡航速度と表現しています。
これは巡航速度というよりも瞬間最大最高速度と表現した方が間違いないです。

下の図の②の状態も誤解されるので要注意です。
割と維持することが出来ている程度では、ロードバイク界隈では「巡航速度」として認めてもらえません。
もっと長時間その速度を維持しなければ、なかなか認めてはもらえません。

下の図の③も、負けず嫌いな人からはマウンティングされる可能性が高いです。
「平均速度には停止時間や休憩時間も含めなきゃ厳密じゃない!」と怒られるかもしれません。

じゅりあん

俺より速い巡航速度の奴はそういない!

一番間違いがないのが、上の図の④です。
正直者扱いされます(笑)

停止時間を含めて平均速度を記録するかどうかは、すべてはお持ちのサイクルコンピューターの設定次第です。
GARMINサイコンでは、
「自動ポーズON(停止時間ノーカウント)」で④の状態に、
「自動ポーズOFF(停止時間カウント)」で③の状態になります。

ちなみに私のサイコン設定は、「自動ポーズONです!
   ※WAHOOサイコンでは「オートポーズ」を有効にした状態
見た目の平均速度が落ちるのが嫌だからです。
グルメライドだったりすると、休憩時間が長くなるのは当然です。
また、平均速度アピールしないのであれば、別に他人の評価は関係ありません。
自転車は趣味なので自己満足でいいんです。人を攻撃してはダメです。
趣味は生きている喜びを享受するために楽しむものです。

制限時間内に残り距離をこなせるかどうかを判断する必要のあるブルベのような競技は、「自動ポーズOFF」にしておいた方がペース配分を調整できるので便利です。

そのほかのマウンティング

・実走派が床の間バイク鑑賞派をマウンティング
・TREKやPINALELLO乗りが、GIANT乗りをマウンティング

世界一の自転車メーカーGIANT(管理人はGIANT乗り)を馬鹿にしないで下さい!
他人の選択にケチをつけてはだめですよ!
フェラーリやマクラーレン乗りが、TOYOTA乗りを馬鹿にするようなもんです!意味ないのでやめて下さい(涙)

ロードバイクは地位材

実はマウンティングは、人間のDNAに組み込まれた本能なのです。
種の生存競争において、オスが他のオスからメスを勝ち取るためには、他者との比較で自分の方が優れた存在であることを証明するための行為が”マウンティング”なのです。
原始的な時代であれば、そのマウンティング手段は腕力だったり、運動能力等であったでしょう。
人間が進化し、その優劣を争う手段には変化が訪れ、そこの”経済力”が加わってきます。
経済力をさらに分解すると、”お金”と”モノ(所有物)”になるでしょう。
さらに、モノ(所有物)は、所有する目的で分類すると、”地位財”と”非地位財”に区分されます。
つまり、現代はモノがマウンティング手段として使われるようになったのです。

マウンティングしたがる人にとってのロードバイクは、地位財と言えます。
健康づくりやロードバイクに乗ることが仕方ない人にとっては、非地位財と言えます。

アフロさん

同じモノでも、価値観次第で所有している意味が変わるとは面白い!

それでは、”地位財”と”非地位財”を説明しましょう。

幸せが長続きしない地位財

地位財とは、周囲と比較することで満足を得られる財です。
所得・財産・社会的地位・物的財などがあげられ、幸福感は長続きしません
なぜかというと、常に他者との比較の上で成り立つので、上を見るとキリがないからなのです。

地位財の具体例  クルマ、時計、住宅、所得、貯蓄、役職

上を見るとキリがないから、上を見るのを諦めた人が自分の優位性を示すために下の人をマウンティングするのか。。。
人間の本能って時にさみしい。

幸せが長続きする非地位財

非地位財とは、他者との比較とは関係なく幸福が得られる財です。
自分の自主性で成り立つものなので、幸福感が長続きします。

非地位財の具体例  健康・自由・愛情・良好な環境

私がロードバイクを続けているのは、純粋にスピードを出して乗ることが楽しいのと、心身が健やかになるからです!
長く趣味として続いている理由は、非地位財としてロードバイクを楽しんでいるからでしょう。

出る杭は打つ日本の文化×マウンティング

江戸幕府が、学問によってその秩序を維持しようとして採用したのが”朱子学”です。

【朱子学】~goo辞書~
中国、南宋の朱熹が大成した新しい儒学。理気説を基本に、人の本性は理であり善であるが、気質の清濁により聖と凡の別があるとし、敬を忘れず行を慎んで外界の事物の理を窮めて知を磨き、人格・学問を完成する実践道徳を唱えた。日本では江戸幕府から官学として保護された。

さらに朱子学を学ぶ上では教科書として「四経」と「論語」が使われました。
その中で、「論語」は己の役割の中で与えられたやるべきことを行い、君子たる行動をとりましょうという考え方を主張しています。
つまり、士農工商という己の役割からははみ出てはいけないのが大前提です。
この枠組みを超えようとすると、社会からマウンティングをうけます。
徳川幕府としては、下克上が起きるのを防ぐため、朱子学を利用して反乱の芽を早めに摘んでおき、安定的な社会を作りたかったのです。
200年以上徳川幕府が続いたことを考えると、”秩序維持という観点”に限って言えば、朱子学の採用は一定程度功を奏したと言えます。

その枠組みで収まり切れず、不満を抑えられなかったから、ときどき農民一揆が起きていたんですね。

江戸幕府は結局世の中の不満を抑えきれず倒幕に至りましたが、長く続いた徳川時代の朱子学的思考は、幕府がなくなった現在でも世の中に根強く残っています。

ロードバイクを始めて間もない人が、DURA-ACEを使っていると批判されたりするのは、初心者なら初心者らしくしときなさいという朱子学的「枠」に収め込み、そこから出たら打つという考え方と合致します。

まとめ

マウンティングは、人間の生存競争の中で生き残るための本能としてDNAに組み込まれたものです。
本能を抑え込み、こうやったらマウンティングがなくなる!という解決策を提示するのはかんたんではありません。

でも、無意識にマウンティングしてしまう人は、この記事を読んで他人を批判する頻度を少しでも低くしてもらえたら良いなと思います。

人の目を気にせず、他人を批判せず、自分がいいと思った機材を使用し、自分の人生を謳歌しましょう!

ロードバイク界隈を良くしていくのは、今ここにいる私たちしかいません。

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