![](https://roadbikeletter.com/wp-content/uploads/2019/05/IMG_20190507_071645.jpg)
ビアンキの「カメレオンテ1(ウノ)」を入手したので、劣化した不良パーツの取り換えと一緒にフロントシングル化にもチャレンジしました!
この記事ではフロントシングル化の作業手順をメインに説明します。
ですので、フロントシングル化のメリットについては、簡単に触れるのみにとどめます。
- 軽量化できる
- フロントギアのギアチェンジが不要となり、操作が楽になる
- フロントチェーンリング周りのメンテナンスが楽になる
- 見た目がミニマル・シンプルになる
カスタマイズ前のビアンキ・カメレオンテ1(ウノ)
中古のクロスバイク「ビアンキ・カメレオンテ1(ウノ)」を奥さん用に入手しました。
フロント3速・リア8速の24速のホワイトが爽やかなフラットバーのクロスバイクです。
近所をポタリングしたり、20㎞圏内をサイクリングしたりするために使いますが、私自身が妻に自転車の魅力に気づいてもらいたいこともあり(そうすれば散財を許してもらえるかもしれない)、女性目線でかわいく、乗り心地も良いクロスバイクに改造します!
![](https://roadbikeletter.com/wp-content/uploads/2019/05/IMG_20190507_071645.jpg)
しばらく乗られていなかった中古品ということもあり、様々な不具合箇所がありました。
- シフターのワイヤーケーブルはケーブルワイヤーが裂け、ギアチェンジできない
- 前後タイヤはパンク&ゴムが劣化し裂けていた
- チェーンはゴリゴリに錆びていた
- フロント&リアディレイラーは錆び錆び
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満身創痍状態のビアンキ・カメレオンテ1。近くで見ると様々な不具合箇所が。。。
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爽やかなホワイト基調のビアンキに似合わない重苦しい黒いフロントチェーンリング
タイヤ交換
最近流行しているグラベルバイクに採用されている、飴色タイヤがカッコいいと以前から思っていたため、ミシュランのDYNAMIC CLASSIC BLK 700X28C を採用。
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とてもハマりやすく、タイヤレバーを使わずに交換可能
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飴色タイヤがクラシカルな雰囲気を醸し出す
クランク交換(旧3速→新3速)
この時点では、錆びたクランク(3速)を新しいクランク(3速)に交換する計画でした。
作業しながら何か物足りなさを感じ、フロントシングル化することになります。
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クランクを取り外す手順の参考になりますので、あえて省略せずにご紹介します。
クランク交換に必要な工具
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左から、「モンキーレンチ」、「コッタレスクランク抜き」、「クランクセット」
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クランクの六角ネジは錆び錆び
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クランクを取り外すツール「コッタレス抜き」
コッタレス抜きの役割を図解
コッタレス抜きの使い方
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コッタレス抜きの黒い部分(ネジ切り部)をクランク中央に挿入する前に、クランク中央のネジ(六角形)をコッタレス抜きの反対側(銀色部)を使って取り外す
![](https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/61u2DQcPbfL._AC_SL1480_.jpg)
コッタレス抜きの反対(銀色部分:14㎜)をクランク中央部に挿入し、六角形のネジを外す
コッタレス抜きのネジをモンキーレンチで時計周りに締め、クランクと固定させます。
コッタレス抜きのネジ切り部分がクランク中央部に完全に挿入されたことを確認します。
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モンキーレンチを使って、コッタレス抜きの軸部分を締めると、中の軸が伸びてBBに押し付けられることでクランクが手前側に外れる
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新しいクランクに交換する場合は、上の写真の作業の着手前にペダルを外しておくことをお勧めします。
ペダルはクランクがBBに装着されていた状態の方が、固定されているので外しやすいためです。
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クランクが外れた後のBB(スクエアテーパー式)の様子。パーツクリーナーを使って、油や砂利汚れを徹底的に乗り除く大チャンス
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上の写真のとおり、フロントディレイラーがひどく錆びています。
この時点でフロントディレイラーを取り外したい気分になり、フロントシングル化に方針転換しました。
新しいフロントディレイラーへの交換という手段もありましたが、ワイヤーを抜いて調整するのが割と難易度が高いとのことで、取り外すことに決めました。
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遠目に見る分には問題なさそうだが、近くで見るとFDは錆び錆び
フロントシングル化に方針転換
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錆びだらけのフロントディレイラーを取り外す
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六角レンチで簡単に取り外し可能
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フロントディレイラーのバンドクランプ部分も六角レンチで取り外す
![](https://roadbikeletter.com/wp-content/uploads/2020/05/IMG_20200524_154352-1024x768.jpg)
フロントディレイラーが取り外された直後の様子。バンド部分の汚れが目立つ
![](https://roadbikeletter.com/wp-content/uploads/2019/05/IMG_20190507_071645.jpg)
ディグリーザーを使って、シートチューブの汚れを除去します。
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バンドが塗装に食い込み気味だったということもあり完全には汚れは取れないものの、許容範囲
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フロントディレイラーのシフター部分。ディスプレイ部は日光で劣化し、ワイヤーケーブルも裂けてしまって、シフターが引けない状態
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軽量化するために、不要なパーツを取り外します。
結構面倒臭いので、ブレーキレバーを新品購入するのが正解です。
ブレーキレバーは1,000円以下です。
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フロントシフター内部の様子
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シフト機能をすべて撤去した後の様子
フロントシングル化
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今回は、SNAIL製のナローワイドチェーンリングを採用します。
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左が38T(RACE FACE製)、右が36T(SNAIL製)のナローワイドチェーンリング
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裏面はこの通り。裏表がないので両面使用可能
BCD(上の写真のクランク内部の4つのボルト穴間の距離)は104mm。
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MTBやクロスバイクの場合、クランクによっては、BCDが96mmのものがあるので、必ず計測して確認するようにしましょう。
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3枚のギアを外し、クランクアームだけの状態にした様子
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チェーンリングの歯先に注目。薄い歯/厚い歯が交互に並ぶ。これがチェーン外れが起きにくい仕組みの秘密
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クランクアームとチェーンリングの装着は非常に簡単
チェーンリングをアームに通して、4本のボルト(チェーンリングに標準で付属)と固定するだけです。
![](https://roadbikeletter.com/wp-content/uploads/2019/05/IMG_20190507_071645.jpg)
ただし、クランクアームのボルトの表面側を六角レンチで締める際、裏側部分のネジも一緒に回転し、最後までネジを固定することが出来ません。
裏側のネジが一緒に回転しないように使用するツールが「ペグスパナ」です。
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六角レンチとペグスパナ
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クランクアームの裏側のネジ部分。横一線に溝があるので、そこにペグスパナをあてがう
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ペグスパナをネジにあてがった際の様子
チェーン装着
ビアンキ・カメレオンテ1に標準装着されていたスプロケットは8速です。
何速であるかによって、チェーンの厚みが違う(段数が多いほどチェーンが薄い)ので、注意してください。
![](https://roadbikeletter.com/wp-content/uploads/2019/05/IMG_20190507_071645.jpg)
チェーン装着には、専用ツール「チェーンカッター」が必要です。
このTOPEAK製のチェーンカッターは、チェーンの両端を橋渡しするワイヤーと六角レンチが標準で付属しているので、余計な工具を買わなくていいのでお勧めです。
リアギアをトップ(ギアの大きさが最も小さい方)にした状態で、リアディレイラーの付け根とプーリー中心が地面と垂直になるようにチェーンの長さを調整します(下の写真)。
![](https://roadbikeletter.com/wp-content/uploads/2020/05/c1e85c59a98c9df12f25a86ceb24bbd0-1024x576.jpg)
ロー側のスプロケが28T以上である、MTBやクロスバイクでのチェーン長の設定で、この調整方法は間違い(6/24訂正)
![](https://roadbikeletter.com/wp-content/uploads/2019/08/naku.jpg)
そのチェーン長の設定は間違いだよ!
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(6/24訂正というか間違いに気づく)
シマノの作業マニュアルに正しい調整方法が記載されていましたので、以下の画像で正しい調整方法を確認しましょう。
チェーンを最大スプロケット(リア)×最大チェーンリング(フロント)にかけ合わせた状態で、最短距離状態に2リンク加えた長さが最適な長さなのです(涙)。
![](https://roadbikeletter.com/wp-content/uploads/2019/08/naku.jpg)
自分のバイクなら間違えてもいい。
(次に活かす経験になれば。。。)
![](https://roadbikeletter.com/wp-content/uploads/2019/05/IMG_20190507_071645.jpg)
このとき、チェーンの端同士は、チェーンカッターに付属のワイヤーで橋渡しをした状態にします。
橋渡しするチェーンは地面側の方が、後々チェーンを切断する際に効率的に作業ができます。
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チェーンにチェーンカッターを軽く固定した様子
![](https://roadbikeletter.com/wp-content/uploads/2020/05/IMG_20200525_135738-1024x768.jpg)
チェーンのピンの中央とチェーンカッターの芯棒が完全に合った状態でネジを締めていく
![](https://roadbikeletter.com/wp-content/uploads/2020/05/IMG_20200525_135822-1024x768.jpg)
チェーンカッターに付属の六角レンチでチェーンカッターのネジを回すと、チェーンのピンが外れてチェーンが切れる
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チェーン同士をつなげる際は、チェーンのピンを抜く手順とほぼ同じです。
チェーンカッターでピンを押し込みます。
チェーンを張った後はチェーンオイルを塗布します。
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フロントシングル化のまとめ
この記事では、クロスバイク(フロントトリプル)をフロントシングル化する手順を説明しました。
長い記事になったので、要点をまとめます。
【フロントシングル化の手順】
- チェーンを切る
- 旧クランクを取り外す
- フロントディレイラー、シフトワイヤー類を撤去する
- ナローワイドチェーンリングをクランクアームに装着
- ③をBBに取り付ける
- 新しいチェーンを張る
必要なパーツ(最低限)
![](https://roadbikeletter.com/wp-content/uploads/2019/05/IMG_20190507_071645.jpg)
思った通り、まず見た目がシンプルでカッコいい!
ガチャガチャとギアチェンジしても、街乗りではチェーン落ちしない!
軽量化については、乗れない自転車をいきなりフロントシングル化して乗れる状態にしたこともあり比較できませんでした!
今後はメンテナンスする度に、フロントギア部分がシンプルなので清掃しやすくなるでしょう!
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【妻の感想】
・風を感じる!
・すいすい進む!
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ということで、カスタマイズ大成功!
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