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運動前の静的ストレッチは筋肉を損傷させることがある

トレーニングの真実

当ブログ(ロードバイクレター)の管理人・よかろうもんです。
ロードバイクのオーバートレーニングが原因で、膝を痛めてしまったので、きちんとトレーニングを勉強したいと思います。

常識と思っていたトレーニング方法が実は全く効果がなかったり、逆効果で運動のパフォーマンスを下げたりすることをご存知でしたか?

実は私が膝を痛めてしまったのも、トレーニングの常識に囚われて思考停止していたからかもしれないのです。

ロードバイクのトレーニングで膝の内側を痛めてしまったら(鵞足炎)
オーバートレーニングで膝を痛めてしまった時、歩行困難になるほど痛みを伴うほどになったときの対処方法を分かりやすく説明します。

そんなトレーニングにまつわる意外な事実の数々を連載という形で、皆さんのお役に立つ情報を発信していきたいと思います。

 

第一弾として「ストレッチ」についての意外な事実をお届けします。

ストレッチって、普通は運動前と運動後に行うもので、体の柔軟性を高めたり筋肉や筋の疲労を軽減するために絶対必要でしょ?

 

でも、ストレッチが逆に怪我につながることもあるのです。

怪我を防止するために良かれと思っていたストレッチが体を痛みつけることになるって一体どういうことでしょう。

この記事ではそのメカニズムについて説明します。
正しい知識を身に着けて、運動パフォーマンスを上げたいですよね。

運動前の静的なストレッチは無意味

実は運動前の静的なストレッチは、筋力・スピード・持久力を低下させるのです。

運動前の体の筋肉は冷えた状態にあり、その冷えた筋肉を強引に伸ばそうとすることは筋繊維の損傷につながるのです。

ということはロードバイクのインドアトレーニングするために、早朝トレーニング前に入念に、それも太腿を中心に、軽い痛みを感じるほどストレッチをすると身体を痛みつけることになるのか。。。

静的ストレッチとは??
身体の一部位を可能な限り伸ばし、そのままの姿勢で20~30秒程度静止し、身体の可動域を広くしようとする運動のことです。
静的ストレッチのイメージ

以下の3つの実験により、運動前の静的ストレッチがパフォーマンスを低下させることを証明しています。

①ミラノ大学で行われた実験(2010年)
・17人の被験者にスクワットの姿勢から垂直跳びをさせた。
・跳ぶ前にストレッチをした/しなかったの2組に分類。
・跳躍高、ピーク時の筋出力、最大速度のすべての面で、ストレッチを「しなかった」組の方が高いパフォーマンスを見せた。
②マックマスター大学における実験
・ふくらはぎのストレッチ後、神経信号の送信に関する力が弱まり、それが15分持続。
・筋力自体も低下した上、その回復には最長1時間掛かった。
 ③ルイジアナ州立大学におけるトラック競技の科学者とコーチによる実験
・優秀な短距離走者を19人集めて実験
・ストレッチをした/しなかった人を2つに分け、40m走を3本走り、1週間後に再度メンバーを丸ごと入れ替え、平均タイムタイムを計測
・5.62秒(ストレッチ非実施)、5.72秒(ストレッチ実施)とストレッチ実施組のタイム低下がみられ、特に後半の失速が目立った

 

静的ストレッチ」をすると、一定時間運動時のパワー・スピード低下につながるのです。

運動前の最適なウォーミングアップ方法

では、運動前にはストレッチをせずにいきなり運動するの?
それは間違いです!
【米軍の研究チームの動的ウォーミングアップに関する研究結果(目的)】
・筋肉・腱の柔軟性を高める
・血流を末端まで行き届かせる
・体温を上げる
・自発的な協調運動を向上させる
【米軍研究チームの実験(動的ウォーミングアップの短期的効果に着目)】
・入隊したばかりの兵士に、静的ストレッチ/動的ウォーミングアップを10分間実施
・機敏性とパワーに関する3つのテストを実施
(往復持久走、メディシンボール投げ、5段跳び
動的ストレッチ組の方が高いパフォーマンスを見せた
【ワイオミング大学のレスリング選手による実験(動的ウォーミングアップの長期的効果に着目)】
・上記の米軍テストと全くおなじ手法を用い、今度は4週間経過観察
動的ストレッチをした組の方が、体力・持久力・敏捷性・無酸素性運動能力値(動的ストレッチの短期的な効果に着目)の全体が向上
静的ストレッチ組は、どの運動においても測定値に向上は見られなかった

効果的な動的ウォーミングアップはどうやればよい?

動的ウォーミングアップをすれば、筋力・持久力を失うことなく運動の準備ができます。

運動が激しくなればなるほど、ウォーミングアップは慎重に行いましょう。

【動的ウォーミングアップ手順】
1 低負荷×リズミカルに動く=心拍数と体温を上げる
具体例:ジョギング・水泳・自転車漕ぎのいずれかを最低5分
2 動的な基本練習×数分間+筋肉を必要な可動域で動かす
具体例:スクワット、腕回し、スキップを各10回ずつ
3 ウォーミングアップ後に行う運動に見合った動きを負荷を軽くして実施
具体例:テニスなら、何球かグラウンドストロークを打つ
ランニングなら、短い距離を軽く走る

運動後のストレッチで翌日の筋肉痛を軽減させる効果はなし

数々の実験により、運動後に静的ストレッチをした組/そうでない組を経過観察したところ、その後のパフォーマンスに違いがないことが分かりました。

ただし、身体の柔軟性を高めるために行う分には、悪いことではありません。
運動後ということもあり、身体が十分に温まっている状態だからストレッチが効果的なのです。

正しいストレッチのまとめ

間違ったストレッチは、逆に筋肉を損傷させるので、正しい知識を持ったうえで取り組みたいものです。

  1. 運動前の静的ストレッチは、筋力・スピード・持久力を低下させるので要注意
  2. 運動前にやるべきは、動的ウォーミングアップ
  3. 動的ウォーミングアップは、身体を温めてから徐々に可動域を拡げる動きを試みる

2019年5月~9月まで、ロードバイクの室内トレーニングを頻繁に行っているのですが、運動前には一切ストレッチをしていません。
にもかかわらず、怪我や腰痛は発生していません
やはり、身体を温めるというのが基本で、体が冷えた状態で筋肉を伸ばしたり、激しく動かしたりすることが怪我に繋がることが私の体では証明できました。

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